2014年12月11日木曜日

森の中~木の皮を剥く。あたらしい、何かが始まる。~







森の中の事務所に立っている木。

乾燥させて皮をむいた木。

この木を見ていると、

僕の好きな写真家の本を思い出す。

「旅をする木」


そこにでてくる話のヒトツ


アラスカのある川ぞいに、1本の木が生えている。

小さな動物がそこに住んだり、
実を食べたり、
その木の木陰で、大きな動物が休んだり。

長い時間の中で、川ぞいのその木の根元の土が

どんどん川の水で浸食され、

ある日、その木はとうとう倒されてしまう。



木は川に流されて、海にでる。

海に出た木は、ある海岸に流れ着く。



流れ着いてからしばらくすると、

その木に、小さな動物が集まったり、

住んだりするようになる。


その木の、新しい時代がまた始まる。



だいたいこんな内容の話だったと思う。


その本は、

すごく静か。

何も否定も肯定もせずに、

ただ、たんたんと、

彼のまわりの風景と起こった事を

書き記す。



それなのに、

僕はその本にずいぶんと夢中になったのだ。



森の中の事務所に立っている木。

乾燥させて皮をむいた木。

この木を見ていると、

僕の好きな写真家の本を思い出す。


よこち












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